どうも、やまちゃんこ鍋(@yamachan_konabe)です。
今回は話題の映画『カメラを止めるな!』を観てきたので、その感想を記事にしたいと思います。
沖縄の映画事情
え?今さら『カメラを止めるな!』のことを記事にするの?って思われる方もいるかと思うので、本筋の話に入る前に、沖縄の映画事情を少しお話しします。
実は沖縄はメジャーな映画以外の上映が他県より遅れる傾向にあるんです。
『湯を沸かすほどの熱い愛』や『この世界の片隅で』も他県より遅れて上映されました。
最近は上映当初はマイナーな映画でありながら、口コミで話題になってメジャーになる映画が多いので、そういう映画は随分と他県の上映から遅れます。
僕は映画を事前情報なしで観たいタイプなので、上映されるまでネタバレを回避するのに必死です。
大体そういった上映が遅れるマイナー映画は、『桜坂劇場』という小さな映画館で上映されます。
ただ『カメラを止めるな!』は沖縄の映画界を牛耳っている『スターシアターズ』が持っている1つの映画館『ミハマ7プレックス』で上映されました。
そのあたりの事情はなぜなのかよくわかりません(笑)
『カメラを止めるな!』とは?
『カメラを止めるな!』は随分前から話題になっていた映画です。
どれくらい話題になっていたかと言うとこれくらいです。
2017年11月 初お披露目となった6日間限定の先行上映では、たちまち口コミが拡がり、レイトショーにも関わらず連日午前中にチケットがソールドアウト。最終日には長蛇の列ができ、オープンから5分で札止めとなる異常事態となった。イベント上映が終わるやいなや公開を望む声が殺到。この度、満を持して都内2館同発での劇場公開が決定した。
その後、国内では「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」でゆうばりファンタランド大賞(観客賞)を受賞。インターナショナル・プレミアとなった「ウディネ・ファーイースト映画祭(イタリア)」では上映後5分間に渡るスタンディングオベーションが巻き起こり、アジア各国の錚々たるコンペ作全55作の中でシルバー・マルベリー(観客賞2位)を受賞。1位は750万人を動員した韓国の大作「1987」であったが、その差は0.007ポイント差と肉薄した。
映画のストーリーはこんな感じ。
とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。本物を求める監督は中々OKを出さずテイクは42テイクに達する。そんな中、撮影隊に 本物のゾンビが襲いかかる!大喜びで撮影を続ける監督、次々とゾンビ化していく撮影隊の面々。
”37分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル!”……を撮ったヤツらの話。
テレビやラジオなど各所で「おもしろい」と言われていたので、ネタバレ回避が大変でした。AbemaTVではスピートワゴンの番組で2時間まるまる特集を組んでいました。新人監督、無名キャスト、低予算という三重苦(笑)を抱えた映画ながらこれほどの話題になるとは、日本映画史の『SAW』と言ってもよいでしょう。
ちなみに僕は『SAW』も大好きです。断っておきますが、血みどろの映画が好きな危ないヤツではありませんよ。
僕が得ていた事前情報
ネタバレ回避していたと言っても、これだけ話題になられるとやっぱり少しは情報を得てしまうわけです。
そんな僕が事前に得ていた情報はこの3つです。
- 無名キャスト、低予算の映画である。
- ゾンビ映画である。
- 後半に驚く展開がある。
3つめの「後半に驚く展開がある」というハードルを越えられるのかが物凄く不安でした。
『SAW』のラストで、ジグソーそこにいたんかい!という衝撃を果たして越えることができるのか、それが不安でした。
映画を観た感想
実際に映画を観た感想を書きます。
ここからはまだ観てない人は絶対に読まないでください。
その方がこの映画を120%楽しめます。
正直、前半の前フリの自主映画の37分間は退屈でした。
前フリの自主映画だって分かってるのに、やたらとこれは映画撮影を撮っている映画なんですよアピールがすごいなと感じたからです。
映画内の映画だと視聴者に分からせるためだとしても、クサイ台詞入れすぎだし、演技のレベル落としすぎだろと。そこまでやる必要あるんか。
もう映画内の映画だってことは分かったから勘弁してくれ。なんかテンポも悪いし、ガチでB級映画じゃんこれ。これ後半にどんな展開待ってても、取り戻せる気がしない…
ハズレかな〜、この映画。そんな気持ちで前半の37分間を観ていました。
しかし!見事に後半で全部、取り返します。
いや、むしろ前半に退屈すればする程、この映画は面白くなります。
僕がそこまでやる必要あるんかと感じていたクサイ台詞や演技のレベルの低さ全てが、後半の回収シーンでの笑いどころになるんです。
テンポの悪さすらも後半の笑いへの布石だったとは驚きました。
「後半に驚く展開がある」ってのが、ホラーにホラーを重ねるような展開(自主映画の撮影現場で実際にゾンビが発生していた、殺人が起こっていたなど)だったら、最悪だったと思います。
でも、『カメラを止めるな!』は後半の回収をコメディで行いました。
こんなに映画館で笑ったのは『キス我慢選手権』以来です。
前半37分間の退屈と後半59分の笑い。見事な緩急をキメてくる映画です。
そして、無名キャストたちの演技の上手さにも驚きました。
特に映画内の監督、日暮隆之役の濱津隆之さんはすごいと思いました。
映画内の現実のキャラと自主映画の中のキャラを見事に演じ分けられていました。
言うなればものすごくキャラの入れ替わりの早い『民王』の菅田将暉のようでした。
視聴した方々が「おもしろい」と言いたくなるのも納得です。
そして、その「おもしろい」への期待を越えてくる最高の映画でした。